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パイロット 万年筆 カスタム743

Pilot Custom743

パイロット 万年筆 カスタム743

カスタム743は、シンプルで飽きの来ないデザインの中に、パイロットというブランドとしてのこだわりが たっぷり詰まった万年筆です。
そのこだわりは、豊富なペン先のラインナップや、徹底した基本品質の追求の姿勢に現れています。
一生ものとして、末永くご愛用いただける万年筆として、自信を持ってお薦めできる逸品です。
ご注文方法・送料などについて
写真: 万年筆 カスタム743
パイロットコーポレーション/日本製


パイロット カスタム743をお薦めする理由


ゆとりあるペン先と、その書き良さ
▲左から、5号・10号・15号
ペン先の比較
パイロット カスタム743のペン先には、カスタムシリーズの中で最も大きい15号サイズが使用されています。
この号数はパイロット独自の呼称であり、一般的な規格という訳ではありません。 比較のために、パイロットの5号・10号ペン先と並べてみました。
かなり、ゆったりとしたサイズである事がわかります。

▲ペン先の弾力部
ペン先の弾力部と固定部
パイロットでは、ペン先という一つのパーツ上での役割分担として、ハート穴(切り割りの根元)のあたりを境に、「固定部」と「弾力部」というふうに位置付けています。
ハート穴よりも首軸側が「固定部」、穴より先端側が「弾力部」ということになります。(右写真の緑でマークした部分)
万年筆はその構造上、筆記時の紙面とのやり取りがダイレクトに持ち手に伝わります。
ボールペンのように、芯のまわりの可動部品などを介して手に伝わる構造と異なり、力が分散する機構部分がありません。
一部で、キャップレスなどの繰り出し式の万年筆が、ペン先の小ささの割りに書き味が良いのも、その機構部分が力を吸収・分散しているからという説もあります。
カスタム743のように、多くの一般的な構造を持つ万年筆の場合は、弾力部の受け持つ役割は重要で、紙とのタッチ感や書き心地に大きく影響します。
そして、当然ですがペン先の号数(サイズ)が大きくなるほど、弾力部も大きくなります。
書き味のお好みは人それぞれですが、私の印象ではストロークの大きなサスペンションの乗り物で、自然の中をゆったりと走るような気持ち良さと安定感を感じます。
大きなペン先で、「固定部は、よりしっかりと。弾力部は、よりしなやかに」
このようなところが、カスタム743をお薦めする第一の理由です。

また同時に、5号や10号のペン先で すでにお持ちのペン種と同じものを、743でまたお求めになられる、といったケースをこれまでに数多く経験しております。
そのような観点からも、決して後悔のないご選択になると信じております。

ペン種の豊富さ
パイロットのカタログには、カスタム743の紹介のところに、
「本格派のための現代の書き味」とあります。
現代人の筆圧は、ボールペンなどの新しい筆記具に慣れたせいか、筆や万年筆が全盛の時代に比べて強めになって来ているのではないかと想像できます。
このような背景を踏まえて設計された現代のペン先の調子は、ややもすれば全般的に硬めな設定となっても不思議はありません。 デザインや持った時のバランスは気に入ったのに、肝心のペン先が硬くてお好みに合わなかった、という事はありませんか?
カスタム743の場合は、使い手のお好みや書き方の個人差に合わせやすいように、実に14種類ものペン先の種類がラインナップされています。
強めの筆圧で紙との摩擦感を楽しむ「万年筆で書いた感じ」がお好きなかたから、ソフトな筆圧で筆のように抑揚をつけるのがお好きなかたまで、ご自身にぴったり来るペン先と出会って頂きたいと思います。
後ほどの項目で、各種ペン先について詳しくレポートしておりますので、ぜひご覧ください。

個体差の少ない、実に安定した品質
意外な事ですが、ペン部分の先端に付いているペンポイント (よく、イリジウムと呼ばれます。実際には他の金属も合わせられた合金です) を製造している会社は世界に数社しかありません。
パイロットコーポレーションはその中の一社であり、ペンポイントから自社で生産・加工しています。
互いに融点の異なるペン部分とペンポイントの難しい溶接、その後の成型・切り割り・研磨・熱処理の作業工程も厳しい生産管理の下におこなわれ、最終的には人の手仕上げで研ぎを施されて出荷されています。
メーカーの想定する通常の筆記角度と筆圧に於いては、調整の必要がないレベルの高品質と、最小の個体差を維持しています。

加えまして、当店では外見からは判断ができないインクフロー(インキ出)の確認など、さらに一本一本について確実に検品をしてお届けしております。
もちろん、お客様の個人差に合わせた調整も受け賜っておりますので、末永くご愛用いただける一本に育てて行くお手伝いも、喜んでさせて頂いております。

パイロット カスタム743

【パイロット カスタム743 製品仕様】
品番: FKK-3000R-B ブラック 税込価格: 44,000円
ペン: 14K 軸・キャップの素材: 樹脂
太さ: 最大径 15.7mm 重量: 26g
長さ: 収納時 149mm / 筆記時(キャップ含む) 162mm
インキ補充方式: コンバーター又はカートリッジ ペン種: 14種類
付属品: コンバーター(品番: CON-70) *ペン種詳細は下記をご覧ください



ご注文方法・送料などについて

パイロット カスタム743        Pilot Custom743 Black

極細字~極太・特太字まで、14種類のペン先を順を追ってご紹介しています。
微妙な差を持つペン先や、カスタムシリーズならではの特徴的なペン種に
つきましては、途中で動画もご用意していますので、ぜひご覧ください。



極細字のペン種 一般的な極細と、きっちりと細い極細 画像をクリックすると拡大できます
カスタム743 EF EF
(エクストラ ファイン)
極細字
税込価格 44,000円
数量   
筆跡見本
エクストラ ファインの筆跡
細かい文字を書くのに適しています。
筆圧により太さの変化は多少ありますので、手帳への筆記などで より細い方がよろしい場合はPO(ポスティング)のご検討もお薦めします。

カスタム743 PO PO
(ポスティング)
硬めの極細字
税込価格 44,000円
数量   
筆跡見本
ポスティングの筆跡
(5ミリセクションに小さめに筆記)
かなり細かい文字を書くのに、特に適しています。
ペンポイント部分が下を向いているので、筆圧がかかっても切り割りが開きにくく、安定して極細の文字を書き続けることができます。
普通の極細では、連続して小さな文字を書いていると無意識のうちに筆圧が上がって線が太くなることがありますが、このペンは そうなりにくい構造になっています。
手帳やスケジュール帳の枠内に書き込む用途では特に人気があり、お薦めです。



細字のペン種 軟らかさが選べる充実の細字とフォルカン 画像をクリックすると拡大できます
カスタム743 F
(ファイン)
細字
税込価格 44,000円
数量   
筆跡見本
ファインの筆跡
ノートや手帳から手紙・日記まで、用途の広い線幅のペンです。
メーカーでは やや硬めと位置付けており、ごく一般的な筆圧に対応しているので、初めてのかたでも安心してお使い頂けるタッチです。

カスタム743 SF SF
(ソフト・ファイン)
軟らかめの細字
税込価格 44,000円
数量   
筆跡見本
ソフト・ファインの筆跡
ファインに比べて軟らかくソフトタッチのペンで、線幅に強弱を付け易くなっています。
筆圧の弱いかたや、筆圧の強弱をコントロールしながら書くのがお好きなかたにお薦めです。 寝かせて書く方が、その特長が活かせます。

カスタム743 FA FA
(フォルカン)
超ソフトな毛筆タッチ
税込価格 44,000円
数量   
823プランジャータイプもございます。
カスタム823のページはこちら
筆跡見本
フォルカンの筆跡
全ペン種の中で、最も軟らかいといえるペンです。
筆圧をあまりかけずに書くと細字ですが、筆圧をかけてゆくと切り割りが柔軟に開き、滑らかに太い線までが表現できます。
筆跡見本では少し大げさに表現していますが、自然な抑揚が楽しめる書き味と、毛筆のような筆跡が特徴の万年筆です。
立てて書くと、細字特有のひっかかりを感じることもありますので、やや寝かせて書くかたに向いています。
ペン先の形状は、このフォルカンだけ大きく異なっており、しなやかさを出すために工夫されたフォルムになっています。
ペン部分の刻印も、狙い通りの柔軟性を得るために飾りをなくし、必要最小限の文字の刻印のみにとどめて、不要な剛性を排除している徹底ぶりです。 その結果、とても美しいペン先を楽しめる万年筆にもなっています。

【 FとSFの比較と、フォルカンの筆記特性を動画でご覧ください 】
画像をクリック、またはプレイボタンをクリックすると再生が始まります。
FとSFのペン先のタッチ FとSFの筆記のようす

◆お伝えしたかった点
ペン先のしなりと筆圧の関係は、動画ではもちろん体感して頂くことはできませんが、ソフトのペン先の方が、穂先部分が柔軟に動いているのが観察できます。
フォルカンでは顕著に出ており、この程度の軽い筆圧でも線に抑揚が出ているのがお分かり頂けると思います。
フォルカンは、ぜひ体験して頂きたい書き心地の万年筆です。
フォルカンの書き心地



中細字のペン種 使用範囲が広く便利な線幅 画像をクリックすると拡大できます
カスタム743 FM FM
(ファインミディアム)
中細字
税込価格 44,000円
数量   
筆跡見本
ファインミディアムの筆跡
ファインミディアム=中細字の名の通り、細字と中字の中間くらいの線幅のペンです。
中字をお好みであっても、書き込む対象のスペースによっては、画数の多い漢字などで文字が潰れてしまうという場合などにご重宝いただいています。
比較となる細字や中字の筆記線幅は、メーカーによって細い太いがありますので、筆跡見本を参考にご検討ください。

カスタム743 SFM SFM
(ソフト・ファインミディアム)
軟らかめの中細字
税込価格 44,000円
数量
筆跡見本
ソフト・ファインミディアムの筆跡
上記のFM(ファインミディアム)に比べ、柔軟性があるので線幅に強弱がつけやすいペンです。
そのため、上限で M(ミディアム)程度までの太さを許容しながら抑揚をつけて書く場合や、筆圧が弱めでやや寝かせて書くかたに向いています。

【 FMとSFMの比較を動画でご覧ください 】
画像をクリック、またはプレイボタンをクリックすると再生が始まります。
FMとSFMのペン先のタッチ FMとSFMの筆記のようす



中字のペン種 軟らかさの選べる中字と、お薦めの一本 ウェーバリー 画像をクリックすると拡大できます
カスタム743 M
(ミディアム)
中字
税込価格 44,000円
数量   
筆跡見本
ミディアムの筆跡
小さな手帳やスケジュール帳へ細かく記入する時よりも大きめの字で、手紙や一筆箋などに書く際の文字サイズに適したペン先です。
メーカーの位置付けでは、「やや硬めの中字」となっていますので、立て気味の角度で筆圧の高い方にも対応しています。

カスタム743 SM SM
(ソフト・ミディアム)
軟らかめの中字
税込価格 44,000円
数量   
筆跡見本
ソフト・ミディアムの筆跡
Mよりも軟らかめで、字幅に強弱をつけやすいタッチになっています。
こちらは、やや寝かせて書かれる場合に、その良さがはっきりと出ます。
万年筆をお使いになられてから、筆記に慣れて筆圧が下がり、持つ位置が上がって筆記角度も寝てきた後に、これをお書きになるととても気持ち良いと思います。

カスタム743 WA WA
(ウェーバリー)
全方向になめらかな
軟らかめの中字
税込価格 44,000円
数量   
823プランジャータイプもございます。
カスタム823のページはこちら
筆跡見本
ウェーバリーの筆跡
スプーンの腹で書く感じで、全方向に対して滑らかな書き心地です。
ペン先が反り上がっていますが、これは角度によって筆記線幅を変化させるためではなく、あくまでも書き味にこだわったための形状です。
この形状により、筆記角度を問わず滑らかさが味わえます。
ペンの調子は軟らかめの設定で、線幅はMと同等です。たいへんお薦めです。

【 MとSMの比較と、ウェーバリーの筆記特性を動画でご覧ください 】
画像をクリック、またはプレイボタンをクリックすると再生が始まります。
MとSMのペン先のタッチ MとSMの筆記のようす

◆お伝えしたかった点
ウェーバリーは、前半でギザギザの線や星などを書いていますが、筆圧をかけた状態での下から上への線でのストレスの無さにご注目頂きたいと思います。
またその後の早書きでの滑らかさとインクフローの追従性も、字は下手ですが、ぜひご覧頂きたい点です。
この気持ちの良い書き心地のため、私も常用している万年筆です。
ウェーバリーの書き心地



太字~特太字のペン種 インクたっぷり、ときめく太字群 画像をクリックすると拡大できます
カスタム743 SU SU
(スタブ)
縦太・横細字
税込価格 44,000円
数量   
筆跡見本
スタブの筆跡
縦の線は太字で、横の線は細字(中細字程度)に書けるペン先です。
カリグラフィーペンほど極端ではないので、日本語を書いても味わいが出ます。
縦線は太めですが、漢字などでは混み合った横線もすっきりして見えるので、お好きなかたも多いペン種です。 アルファベットでは、かなり小さく筆記しても視認性が良く格好の良い文字が書けます。

カスタム743 B
(ブロード)
太字
税込価格 44,000円
数量   
筆跡見本
ブロードの筆跡
Bであってもペンポイントは横に平べったいタイプではなく、丸みを帯びた形状をしていますので、縦線・横線ともに太く、堂々とした太字が書けます。
角張った部分が無いので、紙面から切り割り部分が離れて線がスキップしてしまうことが少なく、気持ち良く太字が書けます。

カスタム743 BB BB
(ブロードブロード)
極太字
税込価格 44,000円
数量   
筆跡見本
ブロードブロードの筆跡
上記のBと同様の特性を持つ極太字です。
筆記サンプルからも見ることができますが、この太さでこのように縦横とも太いと充分な存在感があり、満足の行く太字が書けると思います。

カスタム743 C
(コース)
特太字
税込価格 44,000円
数量   
筆跡見本
コースの筆跡
サインや宛名書きなど、特に大きな文字を書く時はもちろん、葉書や太罫の便箋などに伸び伸びと筆記できる とても太いペン種です。
ペンポイントの撮影をした際には、思わずカメラや顔が映りこんでしまいそうなほど、たっぷりな大きさのペンポイントが付いています。
紙面への接触面積の関係から、多少立て気味の状態の方が太さが発揮できるという印象です。

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使用レポート  -店長 萩原より使用インプレッション-
画像をクリックすると拡大できます
付属のコンバーターの使い方
▲ 付属のコンバーター
でインクを吸入
CON-70での吸入
カスタム743には、インク吸入器(コンバーター)が付属しています。 プッシュボタン式となっており、同社の回転式タイプのコンバーターの2倍以上の容量のインクが吸入できるタイプです。(品番: CON-70)
もちろん、付けたり外したりができ、差し込み口はカートリッジと同様になっていて互換性がありますので、カスタム743をカートリッジでご使用頂くことも可能です。
使い方は、ペン先とペン芯をインクに浸けた状態で、後端のボタンを数回押します。 押すたびに少しずつインクが吸い上げられて来ますので、タンクがいっぱいになるまで繰り返しボタンを押します。
ボタンを押す時に、軸を保持している方の指が滑ると、勢い余ってインクビンの底にペン先をぶつけてしまう恐れがありますので、できれば写真の様にもう一箇所を保持しながら行った方が安心です。
吸入が終わったら、ペン先を上に向けた状態で、ペン先や首軸付近に付いた余分なインクを拭き取ります。
拭き取りが必要な理由は、余分なインクで空気溝が塞がっていると、空気交換の妨げになり、筆記に必要なインクの供給が悪くなるためです。
また、この状態で首軸を指で軽く弾いて空気溝の中のインクをタンクへ落とすようにしておくと、より確実です。
日常のご使用で多少ラフに行なっていても、毎回必ずトラブルが出る訳ではありませんが、原理を知っておいて頂くと、いつもと調子が違うといった時に対処しやすいと思います。

二重ペン芯の効用
▲ 二重ペン芯
カスタム743の2重ペン芯
カスタム743のペン芯は、二重ペン芯になっています。外から見える通常のペン芯の内部に、円柱状のもう一つのペン芯が組み込まれています。
二重ペン芯は、より安定したインクの流れをペン先に提供し、常に快適なインクフローを実現していますが、それ以外にもたいへん便利な特徴を持っています。
多くの吸入式の万年筆では、インクを吸入する際に、インクにペン先を浸して吸入操作を行いますが、この時ペン先の付け根付近をきちんと浸けて首軸が少しインクに付く位まで浸さないと、空気を一緒に吸い込んでしまい、タンクいっぱいまで吸入できないことがあります。
ところが、カスタム743をはじめパイロットの二重ペン芯を持つ万年筆では、写真に見える二重ペン芯の穴がインクに浸かっていれば、その位置で吸入が出来る仕組みになっています。
そのため、首軸付近をインクで汚す心配がないのでインク補充後のお掃除がたいへん楽になっています。 インクの補充も楽しい作業ですから、拭き取りも大して苦にならない場合もありますが、首軸の拭き残しが知らないうちに手に付いて、それで手紙などを汚してしまうこともありますので、助かる機能であると思います。

また、写真でも少し見えますが、ペン芯の樹脂の表面は あえて粉を吹いたように微細なザラザラに仕上げられています。
これは、「濡れ性」をアップさせるための工夫で、これによりインクを弾かず親和させることができ、ペン芯の基本的な性能を向上させています。

▲ 便利な吸入位置
ハート穴が浸かる程度
二重ペン芯の穴がインクに浸っているかどうかは、表側から見てペン先のハート穴の位置が目安になります。
ペン先のハート穴が充分にインクに浸っていれば、その裏側にある二重ペン芯の穴もインクに浸っています。
このような二重ペン芯の機構を活かした吸い上げ方では、外側のペン芯(いつも見えている方のペン芯)の首軸付近にある空気口は空中にあるので、吸入操作の際にそこからも空気は入ります。
そのため、首軸まで浸けての吸入に比べて、ボタンを押す回数は多少多くなりますので、吸入の効率としては少し落ちます。

手に馴染むバランスの良さと、使い込む楽しさ
▲ 良好なバランス
安定した筆記バランス
万年筆で筆記する場合は、外したキャップを尻軸にはめて使用するかたも多いと思います。
この方が、ちょっと置いた時でもペンが転がりにくく安心ですし、親指の付け根に当たるボディの感じにも安定感があるようです。
また反対に、外したキャップは尻軸にはめず、そのままで書くのがお好きなかたもいらっしゃると思います。
キャップを付けて書くと後が重くなり、かえって書きにくいのでそうしていらっしゃるのだと思います。
キャップを尻軸にはめて書く方が好きなかたでも、その万年筆のキャップが軸に比べて重過ぎたりしますと、キャップをはめずに筆記したりすると思います。
そのため、キャップを付けた筆記状態でのペンのバランスは、万年筆を選ぶ時の重要なチェックポイントであると考えています。

カスタム743では、上の写真のような持ち方の場合、キャップの重さで重心が後に引っ張られるような事はなく、とても良いバランスで手にフィットします。
キャップのはまり具合ですが、キャップの内部に設置されている、ペン先の乾燥防止のインナーキャップというカップ状のパーツと、キャップの開口部のそれぞれが、偏ることなく二箇所できっちりと胴軸を保持しますので、筆記中にカクッと動いたりグラついたりする事はありません。

▲ 筆記状態での重心
およその重心位置
右の写真では、やじろべえのようにバランスをとった状態を撮影しました。
支点になっている指のところがほぼ重心位置と言えると思いますが、中心付近に位置しているのが分かります。 インクはいっぱいまで入れた状態です。
バランスのお好みにつきましては、手の大きさや万年筆を持つ位置が上の方か下の方かで大きく変わって参ります。
また、店内でのお試し書きの際にも、手の小さな主に女性のお客様では、元々キャップを尻軸に差さないかたも多く、また男性でもキャップなしがお好きのかたもいらっしゃるので、こればかりはお好みの問題ですが、少しでもご参考になれば幸いです。

カスタム743のデザインは、基本的すぎるくらいのシンプルなもので、よくお客様から、「子供の頃に抱いていた万年筆のイメージそのもの」と言われます。
確かに、飾り気のないシンプルなデザインですが、クリップやリングの質感や仕上げも素晴らしく、使い込んで行っても汚く古ぼけるのではなく、味わいや存在感にも磨きがかかり、さらに風格が出てくるといった感じの熟成の仕方をします。
かなり使ったカスタム743の黒と金だけのシンプルなトーンには、古いけれどもよく手入れをされたピアノを連想するような味わいがあります。
たまに磨いてあげますと、これまで一緒に過ごして来た中で付いた小傷がキラキラと光に輝き、尻軸付近には長年のキャップの付け外しで生まれたかすかな磨耗のうねりが指に伝わります。 私なりのお気に入りの筆記具の中でも、登場回数の多かった、優れた道具としての勲章だと思っています。
お手になさりましたら、末永く可愛がってくだされば何よりです。


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検品と調整につきまして

確実な検品を心がけています
パイロットの万年筆はペン先の精度が高く、個体差もとても少ない品質が保たれております。
ペンポイントの形状や切り割りのズレなどの不具合品は、メーカーでの検品を通過して流通することは、まずありません。
当店でも改めて検品を行い、間違いのない個体をお届けするよう努めております。
その際、外見では分かりにくい部分として、インク貯蔵部(コンバーターやカートリッジ)からのインクの供給の具合(インクフロー)が挙げられます。 このインクの出具合にも、故障とは異なり若干の個体差は想定できますので万が一に備え検品を行なっております。
通常の検品に比べさらに一歩踏込んで、実際の筆記条件と同様の環境で内部からのインクの出を確認しますので、インターネットショッピングでも、安心してご購入頂くことができます。
検品時は、内部にインクが残らないよう、水を使用しております。

書き味の調整につきまして
個人差による影響を受けやすい筆記角度などの違いに対する許容範囲の広い万年筆であるため、調整済みでの販売は行っておりません。
お使いになられるなかで、万年筆がご使用のインクと充分に馴染んだあと、もしも気になる点が具体的に感じられるようになられましたら、お気軽にご相談ください。 出来る限りの情報を頂きながら調整をさせて頂きます。
お買い上げ頂いた万年筆の調整には料金は頂いておりませんが、送料はお互いの自己負担とさせて頂いております。

店頭でのお試し書き
▲ 14種のテスター
全てのペン種をお試し頂けます
店頭では、常に14種類全てのお試し書き用のカスタム743をインク吸入済みの状態でご用意しています。
ペン先にインクを付けてのお試し書きではなかなか見ることのできない本当の書き味を、内部からのインクフローをもとにご確認頂いております。


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● 商品写真の色は、実物と異なって見えることがございます。


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